社長メッセージ

『新しいこと、イノベーションを自ら創り出すMRブティックを目指して』

私は、トークアイに専任的に関わる前、弁理士として活動してきました。 多くの特許を取り扱う中で、新しいアイデアや多くの新製品をみてきました。 また、産学共同プロジェクトに関わる機会も多く、アカデミックな研究成果を商品やサービスに生かす場面にも携わってきました。 そんな私が、このマーケティングリサーチに専任的に関わるようになって14年、強く感じるのは、マーケティングリサーチにはイノベーションが足りない、ということです。

日本の現状

IMDが毎年発表する「世界競争力年間」によると2021年の日本の競争力順位は31位でした(64カ国中)。また、INSEADによるグローバルイノベーションインデックス(2021)では、日本はトップ10に入っていません(13位)。たしかに自分の身の回りをみても、ここ10年ほど、日本発の革新的な製品、サービスは思いつきません。日本経済の回復のためにも、イノベーションが求められていることは間違いありません。

ロジカルシンキングがイノベーションの壁になる

これまでの調査の常識は、課題に対して、論理的な明快さと説明可能性を持つ結論を引き出すことでした。つまり論理的な整合性と再現性が重要だったと言えます。もちろん、そのような役割がなくなったわけではありませんが、論理性と再現性を重視するあまり、イノベーティブなアイディアを葬り去っていないでしょうか。
VUCAと言われるように、変化が激しく不確実な時代において、ロジカルな正解を求めるのはますます困難になっています。さらに、なにが課題かもハッキリしないビジネス環境においては、調査に求められる意味合いや価値も変化しています。

主観やコンテクストがイノベーションのカギ

その変化に対応するためのカギは、客観的データから得られた主観を大事にすることにあると思います。 マーケティングリサーチはもっと当事者の主観や思いを大事にすべきではないかと思うのです。 人間の意思決定には置かれた状況(コンテクスト)が大きく作用するにもかかわらず、多くの場合、リサーチはコンテクストを無視しています。
これは、多くのリサーチは、リサーチから得られたものを受け取り、活用する当事者が腹に落ちるかどうかよりも、それを他人にうまく伝えられるかどうか、説明できるかどうかに中心があるからだと思います。
その結果、自ら感じ取っていたとしても、説明できないもの、うまく表現できないものは棄てられてしまうのです。もっとこの主観やコンテクストを大事にして、データの意味付けを考え、次のアクションにつなげられたら、活用プロセスにおけるマーケティングリサーチのイノベーションになると思うのです。

マーケティングリサーチとは生活者に学ぶこと

そもそも、マーケティングリサーチとは、データコレクションの手法であるだけでなく、組織における学びのひとつであると思います。学ぶ対象は生活者です。
生活者に学ぶこと=マーケティングリサーチなのです。
効果的な学びとは、決して一方通行ではなく相互に学びあうことであり、そのために有効なのが「対話」です。
対話とは、情報の伝達ではなく、相互理解のコミュニケーションです。
生活者との「対話」により一緒に学ぶ、このコミュニケーションを行うための「場」と「問い」の設定こそが、私たちが提供すべき価値ではないかと思います。

情報への意味づけが未来をつくる

これまでのマーケティングリサーチは知識としての情報(事実)を提供することをその価値としてきました。これからのマーケティングリサーチには、解決するべき課題を主体的に見つけ出す力と、それに対する最善の解決策をもたらす力が必要です。得られた情報に納得できる意味づけを与え、意思決定者および関係者の腹に落ちる仕組み、次のアクションに繋がる気づきをリサーチの新しい価値として提供することが、未来つくりに貢献することになると信じています。

そんな新たな貢献のかたちで、マーケティングリサーチにイノベーションをもたらしたいと思っています。

株式会社トークアイ
代表取締役 社長 佐野良太

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