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駐車場ビジネスのイノベーション

コインパーキングなるビジネスが日本で誕生したのはバブル崩壊直前の1990年代初めなのだそうだ。それまでは、臨時に駐車するためには管理人がいる駐車場か、道路に自治体が設置したパーキングメーターを利用していた。バブル崩壊であちこちに虫食い状態の土地が残された結果、遊休地の一時活用のために無人で運用できるコインパーキングというビジネスが生まれたということだろうか。同時期に路上駐車の取締りが厳しくなったこともあって、都心では爆発的に臨時駐車の需要が高まった。コインパーキングは時代の波に乗って急成長したビジネスである。
一般的にコインパーキングには、車両を感知して出庫を制限するロック装置と、駐車代の精算機が設置されているが、小規模(5台から10台)のパーキングでも初期費用に数百万円かかるらしい。投資を回収するためには、少なくても数年は運用しなくてはならないし、土地が狭い場合にはそもそも採算に合わない。古い建物を壊して新しい建物を建てるまでの半年とか、2,3台しか停められない狭い土地では、そもそもコインパーキングビジネスはマッチングしないのである。
ところが、最近では、大がかりな装置を使わないパーキングが登場してきている。BタイムズというサービスはWEBから事前予約する駐車場サービスである。駐車場の事前予約というのは新しい概念だが、さらにビックリなのは、駐車スペースになにも装置が設置されていないことである。


写真を見てわかるように土地に駐車スペースがロープで区切られているだけである。この会社のウェブサイトによれば、空き時間でも、どんな場所でも、一台からでも、とあるので、まさに車が停められる場所であれば、なんら設備投資なしに駐車場ビジネスができることになる。もっとも、不正駐車にどのように対処するのかは不明である。

さらに、IoT (Internet of Things)を活用したスマートパーキングなるビジネスも提案されている。
これはスマートフォンのアプリと通信用ビーコンを内蔵したカラーコーンとを組み合わせたシステムである。利用者はアプリから駐車スペースを予約し、当該スペースに置いてあるカラーコーンを動かして駐車する仕組みになっている。この場合は、カラーコーンが不正駐車を防ぐ役目を担っているわけである。

株式会社シードのプレスリリースから引用


一見イノベーションとは無縁のようにみえる駐車場ビジネスも、時代背景、技術進歩によって大きく様変わりしている。

(り

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